2016年1月19日火曜日

書評:『23区格差』

どいけんです、本日二発目。書ける時に書いておきます!
さて、年末年始に読んだ本第二弾。こちらはホントに流し読み。
こちらはホントに流し読み。で、良くなかったんですが、良くなかった事も書いとこうかな、という次第で。(こういう類の新書に文句付けるの自体、ナンセンスかも知んないけど。。)





どうやら売れているらしいです、この新書。

僕が買った日本橋丸善でも売れ筋トップ10に入ってたし、近所の本屋でもランクインして平積み状態。

まぁ、帯も中々目を引く感じで、
『港区904万円、足立区323万円』って所得差を大写しにしてる感じ。

23区を色々な尺度で評価してA〜Dランクの通信簿にまとめてる、ってのがウリのようです。

自分としては、引越しなんかもここ一二年の射程で考えているというのが3割、あとの7割は、「わが町江東区がなんでDランクやねん!」という、個人的な怨恨で、買ってしまいました…。
ばっちり売り手の思うツボにハマってますね、恐らく…笑

で、内容としては最初に導入を述べたのちに、前半が色んな観点でのランク付け、後半が通信簿という感じ。

観点としては、子育て支援、診療所数などの医療水準、商店街(便利な暮らし、と書中では言ってる)、シルバーパワー、年収、学歴、職業(「シャッチョサン」とか、エグゼクティブの多さですね)。それぞれ指標を引っ張ってきてランク付け。

で、どうなの?という話ですが、正直、まぁ「それだけ?」というのが感想…。

まず、各観点と通信簿との位置付けが謎。どういう考え方で観点を抽出して、どういう採点をしてランク付けしたかの論理的な説明がない。思い付いた順に、また、主観的に並べて終わりに感じる。

主観的なのはいいが、であれば「主観で通信簿つけたよ」と書くべきだと思う。

そして、各観点の語義と評価理由が曖昧。
例えば「便利な暮らしが出来る区」で商店街を取り上げた理由が謎。医療水準や子育て支援など、他の指標についてもその観点と同様、指標を選んだ客観的な理由の記載がない。

で、そっからの通信簿。
Dランク江東区に納得いかないのは勿論の事(笑)、どの区に対しても正直、根拠付けがない。

港区、渋谷区、世田谷区、新宿区、品川区、目黒区がAランクなんだけど、巷に流れる「なんとなく良さげ」とか「セレブが多そう」というのと同じレベルの着想でしかないと思う。意外性もないし。
しかも通信簿に、前章までの観点がほぼ出てこない。区の説明して、ちょっと発展させて終わり。

まあ、上述の通りで、著者が考えた客観的な評価であったり2つ以上のクロス観点での評価というのは見受けられなかったのですが、データは色んな観点のものが平らかに並んでいるし、自分でそれを咀嚼する前提であれば使い出はあるのかもしれないな、という印象。

僕としてはビジネス系の雑誌でやってる特集の方がまだきちんと調査しているし、コスパも高いと思うんですが。。東洋経済とかで年一回くらいやってるしね、こういう特集。


とはいえすこぶる目を引きやすい内容ではあるので、興味を持った人はとりあえずざっと気になるところと自分の区を立ち読みして、それでも欲しければ買う、という方法をお勧めします。

こんなんも読みましたよ!


以上。 

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